この記事では、母乳による血便の症状や原因、起こりうる期間、また画像を用いて母乳による血便の見方のポイントについて解説していきます。
もしあなたが、母乳が原因で起こる血便について詳しく知りたい場合、また他の病気が原因で起こる血便との違いや受診の有無の判断などについて知りたいときには、ぜひ読み進めて下さいね。
突然赤ちゃんの便に血が混じっていたら、ママやパパはびっくりしてしまいますよね。
何か病気ではないか、と不安になってしまうことでしょう。
実際に何か病気があり、その症状として血便が出てしまうこともあります。
ですから、中にはすぐに受診することが必要な血便もあります。
では血便が出たときは、どのように対処すればいいのでしょうか。
この記事を読み、参考にしていただけると嬉しいです。
母乳による血便って?症状や原因は?
実は母乳栄養の赤ちゃんに血便が見られることは珍しいことではないのです。
正式には乳児良性直腸出血といいます。
名前の通り良性の出血で、特に問題はありません。
では、原因は何なのでしょうか?
実際のところ、はっきりは分かっていません。
何らかの免疫反応が起こり、直腸の粘膜の上皮細胞の回転が亢進して起こると言われています。
…難しいですね。
母乳栄養の赤ちゃんとミルク栄養の赤ちゃんでは、好酸球などの免疫に関わる細胞の数などに多少の違いが出るのですが、その変化によって腸の動きが変わり、赤ちゃんの傷つきやすい直腸が傷ついてしまうことがある
と考えてみましょう。
特に問題のない出血ですので、治療も不要です。
母乳に制限が出たり、離乳食に制限が出ることもありません。
症状としては、わずかな出血です。
基本的にはたくさんの血が出ることはまずありません。
すじ状・点状の血が極少量便の中に混じります。
赤ちゃん自身に症状は見られず、いつも通り元気に過ごしています。
ただし、何か病気が隠れているかどうかには注意が必要です。
緊急性のある血便もありますので、自己判断は避けかかりつけの小児科医に相談するようにしましょう。
詳しくは後半に解説しますので、参考にしてくださいね。
母乳による血便っていつまで?どのくらいの期間注意が必要?
母乳による血便は、生後すぐ~6か月頃の赤ちゃんに見られることがあります。
中でも、2か月前後の赤ちゃんに起こりやすいとされています。
母乳栄養や混合栄養で授乳しているママは、母乳育児をしていると血便が出る可能性があるということを頭の片隅に置いておくと、血便が出たときに落ち着いて対処できるでしょう。
母乳による血便を画像で!チェックするポイントは?
繰り返しになりますが、以下が乳児良性直腸出血の症状です。
いつもの緩いうんち(普段の赤ちゃんのウンチ)
うんちに線状や点状の血液が少量混じる
赤ちゃんは機嫌がよく、おっぱいの飲みも良い
これらの症状であれば、焦る必要はないでしょう。
下はイメージ画像です。
乳児良性直腸出血は、このように点状や線状の出血が普段の便に混じることが多いとされています。
しかし、やはり血便の中には、腸重積、メッケル憩室、アレルギー性腸炎、遷延性下痢症、感染性腸炎、裂肛等の治療を要するものもたくさんあります。
中でも、腸重積の場合は、赤ちゃんの血便の中でも特に緊急を要する病気です。
腸重積は、腸が腸の中に入り込んでしまい腸が詰まった状態になります。
大量に血便し、赤ちゃんは激しく嘔吐したり機嫌が悪くなったりします。
また腸重積は、便の性状でも判断しやすいので覚えておくと良いでしょう。
腸重積の場合の血便‥
イチゴジャム状・イチゴゼリー状
ドロっと粘り気のある便
この場合はすぐに受診するようにしてくださいね。
↑国立成育医療研究センターが発表している記事です。少し古いですが参考になりますよ。
しかしそれ以外の血便であっても、たとえ良性直腸出血と思われるような少量の血便であった場合にも、自己判断はせずにかかりつけの小児科で相談することをお勧めします。
赤ちゃんの機嫌がよければ、受診時間まで待ってからの受診で問題ないです。
受診の際には、血便が出たオムツを持参(基本は直接オムツを持参してもらいたいですが、どうしても無理なら写真を撮っておきましょう)するようにしましょう。
今回のまとめ
今回は、母乳による血便の症状や原因や起こりうる期間について、そして画像を用いて母乳による血便の見方のポイントについて解説しました。
良性直腸出血と考えられる血便の場合で、赤ちゃんが元気で普段通りおっぱいもよく飲めているようであれば、急いで受診する必要はありません。
かかりつけ医の受診時間に受診するようにしましょう。
しかし、本当に大丈夫?と不安が強い場合は、#8000などを利用しましょう。
#8000はこども医療電話相談と言い、休日や夜間に判断が困った場合に相談することができます。
こういった制度を活用しながら、落ち着いて対応できると良いですね。
今回の記事が、少しでも参考になればうれしいです。