この記事では、授乳でしこりが痛くなる原因や、しこりの激痛に注意するべきことや、さらに、しこりが熱くなる原因についても詳しくご紹介します。
毎日赤ちゃんのお世話で大変なのに、胸のしこりの痛みや熱があると本当に辛いですよね。
授乳中のトラブルの中でとても多いのが、胸にできたしこりや、しこりが痛いことと言ってもいいぐらいメジャーなトラブルです。
しこりができた場合、赤ちゃんに母乳を飲ませてもいいのかについてもすごく不安になりますよね。
しこりができる原因や、しこりができたときの症状と対策を知って、楽しい授乳タイムを過ごしてほしいと思います。
授乳でしこりが痛い!その原因とは?
どうしてしこりができるかご存知ですか?
ママの血液から作られた母乳は、乳腺や乳管を通って運ばれていきます。
その途中で母乳がつまったり、母乳の流れが悪くなると、母乳がたまってしまいます。
これがしこりとなり、胸が痛くなるのです。
この状態を専門用語でうつ乳といいます。
乳腺の中に母乳がたまっていくと、たまった母乳が胸や乳腺の組織を圧迫します。
圧迫すると、チクチク、ズキズキとした痛みがおこります。
針に刺されたような痛みだという感じる人もいます。
授乳でしこりが激痛!注意するべきことは?
しこりの原因の多くはうつ乳です。
母乳がたまればたまるほど、乳腺をどんどん圧迫していきます。
そのため、母乳がたまればたまるほどしこりは大きく硬くなり、どんどん痛くなってしまうのです。
しこりができるだけでは乳腺炎とは言いません。
乳腺炎になりかけの状態と考えていいでしょう。
そして、乳腺炎になるともっと症状はつらくなります。
乳腺炎を予防するためには、これ以上悪化させないように対策をとることが大切です。
母乳をつまらせないためには
- 高カロリーな食事を避けましょう
食事に関しては何を食べても母乳の質には関係ないと言われています。
食事がしこりのできやすさに影響するという科学的な結果はありません。
しかし、脂肪分や糖分が高い食事を取りすぎてしまうと、しこりができやすいと感じることがあります。
しこりが無くなるまでは高カロリーな食事は避けた方がいいかもしれません。
食事についてはこちらで詳しく紹介しています。
- 水分はしっかりとりましょう
水分が少なくなると血液はドロドロになってしましいます。
しかし、冷たい飲み物は体を冷やしてしまうので、常温かぬるめの飲み物がお勧めです。
- 授乳姿勢を工夫しましょう
毎回同じ授乳姿勢で授乳をしていると、たくさん吸われる乳腺と、あまり吸われていない乳腺がでてきてしまいます。
そのため、同じ体勢、同じ方向ばかりで授乳をすると一部の乳腺に母乳が溜まりやすくなります。
一部分の乳腺に母乳がたまらないようにするためには、まんべんなく縦抱き・横抱き・脇抱きを組み合わせて授乳してあげるといいでしょう。
- 授乳間隔が極端に空かないようにしましょう
授乳間隔が空きすぎると母乳が溜まり続けることになります。
そのままにしておくと、母乳が乳腺に詰まりやすくなってしまいまいます
- 赤ちゃんにしっかり吸ってもらいましょう
赤ちゃんがうまく吸えていなかったり、授乳回数が少ないと母乳がたまりやすくなります。
赤ちゃんが上手く吸えていなかったり、授乳時間が空く時は少し搾乳してもいいでしょう。
ただし、搾乳しすぎるとさらに母乳が作られてしまうため、乳房が少し軽くなる程度にしておきましょう。
- 疲労やストレスをためないようにしましょう
ママが疲れたり、精神的にストレスが溜まると、自律神経やホルモンのバランスが崩れやすくなります。
母乳がはオキシトシンとプロラクチンというホルモンの働きで作られています。
つまり、疲れやストレスがたまり、ホルモンのバランスが崩れてしまうと母乳の分泌が悪くなったり、流れが悪くなったりします。
いろいろな理由によって、母乳が詰まりやすくなってしまうのです。
授乳でしこりに熱が!なぜ熱くなるの?
しこりが熱くなったときは乳腺炎が原因かもしれません。
授乳トラブルの中でもとても多いのが乳腺炎(乳腺の炎症)です。
乳腺炎には大きく分けて2つの種類があります。
乳汁うっ滞性乳腺炎
母乳が乳管の中でつまった、うつ乳の状態のときにおこる炎症です。
菌に感染していない状態の乳腺炎のことです。
乳汁うっ滞性乳腺炎になると、しこりができたり、痛みが出たり、赤くなって熱を持つことがあります。
感染性乳腺炎
乳首の傷口などから細菌が入り込み、乳腺に感染した状態のときにおこる炎症です。
感染性乳腺炎になると、38~39℃の高熱が出たり、乳房がズキズキと激しく痛んで腫れ上がることもあります。
うつ乳(母乳が乳腺の中にたまった)の状態が続くと細菌に感染しやすくなります。
この感染性乳腺炎がおこると、しこりが痛いだけでなく、全身が辛くなります。
乳腺炎を予防するためには、上記でお話ししたように、うつ乳の状態を作らないことが大切です。
乳腺炎の主な症状
- 乳房にしこりができる
- 乳房にできたしこりに熱を持っている
- しこりの部分、または乳房全体が赤くなっている
- しこりが痛い
- 38~40度の高熱、頭痛、寒気
- 乳首に白い斑点(白斑)がある
- 黄色っぽい、ドロッとした母乳が出る
などが考えられます。
乳腺炎を予防するためにできること
- 乳頭に傷を作らないように注意する
乳首は、赤ちゃんに吸われて傷ができやすくなっています。
そして乳首に傷ができると、その部分から菌が入りやすくなります。
まずは、乳頭に傷を作らないように、しっかり深くまで乳頭をくわえさせることが大切です。
- 乳頭を清潔に保ちましょう
あきらかな傷ができていなくても、目に見えない傷ができていることもあります。
母乳パッドはこまめに新しいものに交換したり、汗をかいたらきれいに拭くなど、乳首を清潔にしておくといいでしょう。
- 赤ちゃんにしっかり吸ってもらいましょう
ママが熱を出したり、しこりができると赤ちゃんへの悪影響を心配して授乳をやめてしまう方もいますが、授乳はやめないでください!
授乳をやめるとさらにうつ乳状態が悪化して、症状がひどくなります。
授乳を続けながら、早めに産科病院や助産院の専門家に相談しましょう。
上記に書いたこと+下のリンク先のうつ乳の状態を作らないようにするためのポイントを詳しく説明しています。是非参考にしてください。
今回のまとめ
この記事では、授乳でしこりが痛くなる原因や、しこりの激痛に注意するべきことや、さらに、しこりが熱くなる原因についても詳しくご紹介します。
乳腺炎は予防できます!
一番効果的な方法は、とにかく赤ちゃんに何回も飲んでもらうことです。
そのほかの対策としては
- 高カロリーな食事を避け、水分はしっかり取りましょう。
- 授乳姿勢を工夫し、授乳間隔に気を付けて、母乳の飲み残しを減らしましょう。
- 授乳間隔が空いてしまったときは、少し搾乳をしましょう。
- 疲れやストレスをためないようにしましょう。
- 乳頭に傷を作らないようにして、乳頭を清潔にするようにしましょう。
などがあります。
乳腺炎になると、ママの体が辛くて赤ちゃんのお世話どころではなくなってしまいます。
初期のうちに早めに対処をして、ひどくならないようにしていきましょう。